公的年金等の源泉徴収

Q 年金の扶養親族等申告書を提出しないとどうなるの?

A 各種控除が受けられなくなり、源泉徴収税率も高くなります。

  ただし、老齢年金の年金額が108万円未満(65歳以上の方は158万円未満)の方は

  「扶養親族等申告書」を提出する必要はありません。

          下記のケースで比較してみましょう。

厚生老齢年金  3,200,000円 控除される社会保険料200,000円

年齢65歳以上 控除対象配偶者(一般)がいる場合

1.扶養親族等申告書の提出のある人

①基礎的控除額 (3,200,000円-200,000円)÷12×25%+65,000円

=127,500円<135,000円 ∴135,000円

②人的控除額

一般の控除対象配偶者がいる為・・・32,500円

③控除額 (135,000円+32,500円)×12ヶ月=2,010,000円

④源泉徴収税額

(3,200,000円-200,000円-2,010,000円)×5%=49,500円

2.上記1の人が扶養親族等申告書を提出していなかった場合

①控除額 (3,200,000円-200,000円)×25%=750,000円

②源泉徴収税額

(3,200,000円-200,000円-750,000円)×10%=225,000円

<参考>

公的年金等に対する源泉徴収は下記のようになっています。

1.扶養親族等申告書の提出のある人の場合

(1)源泉徴収税額の計算

源泉徴収税額は、次の算式により求めた金額となります。

        源泉徴収税額=(公的年金等の支給金額-控除額)

                              ×5%(1円未満の端数切捨て)                   (2)控除額の計算

控除額=(基礎的控除額+人的控除額)

×月数(その支給金額の計算の基礎となった期間の月数)

①基礎的控除額

受給者の区分 控除額
年齢65歳以上の人  公的年金等の支給金額の月割額×25%+65,000円(計算した金額が135,000円未満の場合には、135,000円)
年齢65歳未満の人  公的年金等の支給金額の月割額×25%+65,000円(計算した金額が90,000円未満の場合には、90,000円)

 

 (注)1.公的年金等の支払の際に控除される社会保険料がある場合には、

            その公的年金等の金額に相当する金額からこの社会保険料の金

            額を控除した残額に相当する金額の公的年金等の支払があった

            ものとみなして源泉徴収税額の計算を行います。

    2.公的年金等の支給金額の月割額は、公的年金等の金額をその公

            的年金等の支給の計算の基礎となった月数で除して計算し、そ

            の金額が4円の整数倍でないときは、その金額を超える4円の

            整数倍である金額のうち最も少ない金額とします。

  ②人的控除額 「イ」欄から「ニ」欄により求めた金額の合計額です。

区分 内容 控除額
本人に関するもの イ.障害者に当たる場合 一般の障害者 22,500円
特別障害者 35,000円
控除対象配偶者及び扶養親族に関するもの ロ.控除対象配偶者がいる場合 一般の控除対象配偶者 32,500円
老人控除対象配偶者 40,000円
ハ.扶養親族がいる場合 一般の扶養親族1人につき 32,500円
老人扶養親族1人につき 40,000円
特定扶養親族1人につき 52,500円
ニ.ロ及びハの人が障害者に当た   る場合 一般の障害者 22,500円
特別障害者 35,000円

 

(注)2階建部分の年金等を受給されている方は、上記の「控除額の計算」の算式

      で求めた金額から一定金額を減額された金額が控除額とされますので、ご注

      意下さい。ここでは、その一定金額の説明を省略しております。

   2.扶養親族等申告書の提出がない人の場合

(1)源泉徴収税額の計算

源泉徴収税額=(公的年金等の支給金額-控除額)×10%

(2)控除額の計算

控除額=公的年金等の支給金額×25%

備考  平成23年10月1日現在の所得税法等関係法令の規定に基づい

        ております