賃貸する場合の消費税
Q. 私はマンションの賃貸業を営んでいます。賃料収入について、消費税の課税取引になる場合、非課税取引になる場合があると聞きました。賃貸収入に係る消費税の課税関係について、教えてください。
A. マンションを賃貸して収入を得る場合、消費税の課非判定において大切になるのは、賃貸借契約書においてその用途をどのように定めているかになります。
①賃貸契約書において用途を『事業用』と定めている・・・課税取引
②賃貸契約書において用途を『居住用』と定めている・・・非課税取引
になります。
居住用の賃貸が消費税の非課税取引とされているのは、貸主が賃借人に対して消費税を転嫁しないことにより、住宅賃借人を政策的に保護するためです。
では、貸主が事業者(法人)と居住用として賃貸借契約をした場合で、さらにその事業者がその従業員に社宅として転貸することが明らかな場合の消費税の課非はどうなるでしょうか。
この場合には、貸主と事業者との間の賃貸借契約が居住用とされており、その法人が従業員に社宅(居住用)として転貸することが明らかであるため、貸主と事業者間、事業者と従業員間ともに消費税は非課税取引になります。事業者への賃貸になるので課税取引と勘違いしないよう注意が必要です。
同様に、貸主所有のマンションを不動産管理会社に一括して賃貸し、不動産管理会社が転貸した場合には、貸主と不動産管理会社間の賃貸契約書で居住用として転貸することが明らかにされていれば、非課税取引に該当することになります。
また、貸主が借主と居住用として賃貸借契約した物件を、その借主が勝手に事業に使用した場合であっても、借主が貸主に用途変更を伝えない限り、当初契約が居住用の賃貸になっていますので非課税取引になります。ただし、居住用として賃貸契約した場所で事業を始める場合には、事前にその旨貸主と話し合うのが良いでしょう。
なお、居住用から事業用に用途変更があった場合には、その用途変更後から課税取引になります。