所得拡大促進税制の適用は難しいのでしょうか?

昨年10月1日に発表された「民間投資活性化等のための税制改正大綱」により、
平成26年4月1日より所得拡大促進税制の要件が緩和されます。

所得拡大促進税制とは、対象者を青色申告書を提出する法人または個人事業主とし、
平成25年4月1日~平成26年3月31日より開始する事業年度と直前の事業年度を比較して、
給与等支給額(法人の役員及びその役員の特殊関係者を除く。)が一定の率(現行5%)以上
増加している場合において、その増加額の10%(中小企業者は20%)の税額控除を認める制度です。
ただし、適用要件として
①その適用年度の前事業年度より給与等支給額が下回らないこと、
②平均給与等支給額が前事業年度の平均給与等支給額を下回らない、という要件があります。
この制度について以下のように緩和されました。

①適用年度の2年延長

現行  平成25年4月1日~平成28年3月31日までに開始する事業年度

緩和後 ~平成30年3月31日までに開始する適用年度まで二年間の延長

②給与等支給増加率「5%」の要件緩和

現行  給与等支給増加率が5%以上であること

緩和後 適用1~2年目については2%以上、3年目については3%以上、4~5年目については5%以上

③平均給与等支給額の比較方法を変更

現行   日雇いのみを除いて計算

以下は例題です。

基準年度(比較対象) 適用初年度 適用2年度 適用3年度 適用4年度 適用5年度
平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度
給与等支給額 5,000,000 5,100,000 5,120,000 5,160,000 5,250,000 5,280,000
給与等増加額 100,000 120,000 160,000 250,000 280,000
給与等支給増加率 2.000% 2.400% 3.200% 5.000% 5.600%
継続雇用者人数 10 10 10 10 10 10
平均給与金額 510,000 512,000 516,000 525,000 528,000
税額控除額 20000 24000 32000 50000 56000