仮想通貨の所得の考え方
Q. ビットコインを保有しています。確定申告に際し、ビットコインの所得の考え方について、教えてください。
①H29.4.10 4ビットコイン(BTC)を2,000,000円で購入
②H29.6.15 0.2BTCを110,000円で売却
③H29.7.10 155,000円の商品を購入し、0.3BTCを支払い
④H29.9.30 他の仮想通貨を購入(決済時点時価600,000円)、その決済に1BTC支払い
⑤H29.11.20 追加で2BTCを1,600,000円で購入
ビットコインを保有しているだけであれば確定申告は不要ですが、ビットコインを使用することで生じた利益については課税の対象になります。その場合の所得区分は原則として「雑所得」になります。使用例としては、仮想通貨の売却や他の仮想通貨とのトレード、商品の購入などが挙げられます。
ご質問の場合、
① 1BTC=500,000円(2,000,000円÷4BTC)の価値のBTCを購入しています。
② 0.2BTC (500,000円×0.2BTC=100,000円)を110,000円で売却していますので、10,000円利益が出ています。
③ 155,000円の商品を0.3BTCで購入(500,000円×0.3BTC=150,000円)で購入していますので、5,000円の利益が出ています。
④ 時価600,000円の他の仮想通貨を1BTC(500,000円)で購入していますので、100,000円の利益が出ています。
⑤ 追加で2BTCを1,600,000円で購入しています。
以上のように、ビットコイン使用により、②で10,000円の利益、③5,000円の利益、④で100,000円の利益が出ており、合計115,000円の所得があったことになります。
⑤でビットコインを追加で取得していますが、2回以上にわたって取得した場合の取得価額は、原則として移動平均法で算定します(継続して適用することを前提に、総平均法を用いても差し支えないとされています)。
【移動平均法】
⑤購入直前の保有BTC簿価=500,000円×2.5BTC(4BTC—1.5BTC(上記②③④))=1,250,000円
(1,250,000円+1,600,000円)÷(2.5BTC+2BTC)=633,333.3333 ∴633,334円
【総平均法】
(2,000,000円+1,600,000円)÷(4BTC+2BTC)=600,000円
※総平均法を用いた場合、上記ご質問の所得は0円になります(②は—10,000円、③は—25,000円、④は0円)。
なお、ビットコインなどの仮想通貨の場合、損益通算や損失の繰越控除が出来ません。また、総合課税になりますので、所得に応じて税率が変わります。
課税される所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円超330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円超695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円超900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円超1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円超4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |