住宅取得資金等の贈与の非課税

.住宅の購入を予定しているのですが、父からその資金を援助してもらった場合、贈与税はかかるのでしょうか?
H25年5月に800万円の資金を贈与してもらって、2,200万円で建物を新築しようと考えています。

A. 父母や祖父母などの直系尊属からの贈与で得た資金により、自分の住宅を購入する場合、
一定の要件を満たせば、一定額までは、贈与税が非課税となります。
ただし、贈与の年度によって非課税限度額が異なりますので、注意が必要です。

平成24年 平成25年 平成26年
省エネ等住宅 1、500万円 1、200万円 1、000万円
上記以外の住宅 1、000万円   700万円 500万円

お尋ねのあった場合ですと、省エネ等住宅であれば、新非課税制度のみで贈与税は非課税になります。
それ以外の住宅ですと、新非課税制度と暦年課税の基礎控除を使える状況(他から贈与を受けていない)
であれば、制度の併用で非課税になります。
贈与金額800万円ー700万円(新非課税制度)ー110万円(暦年課税基礎控除)=ー10万円
故に非課税となります。

ただし、贈与を受けるものの一定の要件を満たし、住宅等の新築等の一定の要件を満たし、かつ、 贈与税の申告書および添付書類の提出をしている場合に限ります。
一定の要件は、以下になります。

①贈与を受ける者の要件
(1)贈与を受けた時に日本国内に住所を有していること
(贈与を受けた時に日本国籍を有していること、又は、受贈者または贈与者がその贈与5年以内に日本国内に住                  所を有していること。)
(2)贈与を受けた時に贈与者の直系卑属であること
(配偶者の父母(または祖父母)は、直系尊属には当たりませんが、養子縁組をしている場合は直系尊属にあたります)
(3)贈与を受けた年の1月1日において、20歳以上であること
(4)贈与を受けた年の年分の所得税に係る合計所得金額が2、000万円以下であること。
(5)贈与を受けた年の翌年3月15日までに、住宅取得資金の全額を充てて住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等をすること
(6)贈与を受けた年の翌年3月15日までにその家屋に居住すること又は同日後遅滞なくその家屋に居住することが確実であると 見込まれること。(贈与を受けた年の翌年12月31日までにその家屋に居住していないときは、新非課税制度は適用されず、修正 申告が必要になります)
(7)自己の配偶者、親族等の一定の特別の関係がある方から住宅用の家屋の新築若しくは取得または増改築等をしたものではないこと」
(8)平成23年分以前の年分において、旧非課税制度(平成22、24年の各税制改正前の住宅取得資金の贈与税の非課税)を受けていないこと

②住宅用の家屋の新築若しくは取得又は増改築等の要件
新築または取得の場合
条件(1)新築または取得した住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションなどの区分所有建物の場合は    その専有部分の床面積)が50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が    贈与を受けた者の居住のように供されるものであること。

条件(2)取得した住宅が次のいずれかに該当するものであること
①建築後使用されたことのない住宅用の家屋
②建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、その取得の日以前20年以内(耐火建築物の場合は25年以   内)に建築されたもの
③建築後使用されたことのある住宅用の家屋で、耐震基準に適合するものであることを、耐震基準適合証明書又は住宅性能評価書の写しにより証明がされたもの(家屋の取得の日前2年以内にその証明のための家屋の調査が終了しているもの)
新築として認められる状態
贈与を受けた年の翌年3月15日において屋根(その骨組みを含む)を有し、土地にて着した建造物として認められるとき以後の状態にあること。
取得として認められる状態
贈与を受けた住宅取得等のための金銭を建売住宅又は分譲マンションの対価に充てている場合でも、贈与を受けた年の翌年3月15日までに引渡しを受けていなければ、新非課税制度の適用を受けることはできません。

増改築等の場合
条件(1)嬢改築等後の住宅用の家屋の登記簿上の床面積(マンションは同上)50㎡以上240㎡以下で、かつ、その家屋の床面積の2分の1以上に相当する部分が贈与を受けた者の居住のように供されること。
条件(2)増改築等の工事が自己が所有し、かつ、居住している家屋に対して行われたもので、一定の工事に該当することについて   「確認済証の写し」、「検査済証の写し」又は「増改築等工事証明書」により証明されたものであること。

条件(3)増改築等の工事に要した費用の額が100万円以上であること。(増改築等の工事の部分に居住の用以    外の用に供される部分がある場合には、増改築等の工事に要した費用の額の2分の1以上が、自己の居住の用に供される部分の工事に充てられていなければ
なりません。)

増改築等として認められる状態
贈与を受けた年の翌年3月15日において増築又は改築部分の屋根(その骨組みを含む)を有し、既存の家屋と 一体となって土地に定着した建造物として認められるとき以後の状態にあるものが含まれます。

③贈与税の申告期間内(贈与を受けた年の翌年2月1日~3月15日まで)に譲与税の申告書及び添付書類などを提出した場合に限り、その適用を受けることができます。

④暦年課税にあっては基礎控除110万円と相続時精算課税にあっては特別控除2、500万円との併用が可能です。

必要書類 1.全ての方が提出する書類
① 計算明細書
② 受贈者の戸籍謄本
③ 贈与年の所得金額を明らかにする書類
④ 請負・売買契約書
⑤ 登記事項証明書
⑥ 受贈者の住民票の写し
⑦ 受贈者の戸籍の附票の写し
⑧ 増改築等工事証明書

必要書類 2.省エネ等住宅で500万円の加算受ける時に提出する書類
建設住宅性能評価書の写し
・住宅性能証明書
・長期優良住宅認定通知書及び建築証明書等