更正の請求範囲の拡大

更正の請求は、納税申告書に記載した課税標準等又は税額等の「計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったこと」又は「計算に誤りがあったこと」により税額が過大であった場合等に行うことができましたが、今回の改正により範囲が拡大されました。

当初申告要件の廃止に伴い、上記の2つの事由以外でも更正の請求を行うことが可能となりました。
当初申告要件とは「確定申告書(当初申告書)にその適用を受ける旨の記載及び証明書類の添付がある場合に限り適用する」旨の定めがある「給与所得者の特定支出控除(所法57の2)」など、当初の申告時に選択した場合に限り適用が可能な措置のことをいいます。

今までは、当初の申告時に適用をし忘れた場合には、取り戻すことができませんでしたが、これからは所定の書類を添付することにより更正の請求により適用をすることができます。

<当初申告要件の廃止及び控除額の制限が見直された措置>  ※一部抜粋
   【所得税関係】
○ 純損失の繰越控除(所法70)
○ 雑損失の繰越控除(所法71)
○ 中小企業者が機械等を取得した場合の所得税額の特別控除(措法10の3)
○ 青色申告特別控除(65万円)(措法25の2)
※平成23年12月2日の属する年分以後の所得税から適用されます。
【法人税関係】
○ 受取配当等の益金不算入(法法23、81の4)
○ 外国子会社から受ける配当等の益金不算入(法法23の2)
○ 所得税額控除(法法68、81の14)
○ 中小企業者等が機械等を取得した場合の法人税額の特別控除(措法42の6、68の11)
※平成23年12月2日以後に確定申告書等の提出期限が到来する法人税から適用されます。
【相続税・贈与税関係】
○ 配偶者に対する相続税額の軽減(相法19の2)
○ 贈与税の配偶者控除(相法21の6)
※平成23年12月2日以後に確定申告書等の提出期限が到来する相続税又は贈与税から適用されます。