中小企業者が機械装置等を購入する場合
Q 新しく機械装置を購入予定だけど、何か受けられる税制優遇はありますか?
A 中小企業者が機械装置を購入する場合には、生産性向上設備投資促進税制ではなく、中小企業投資促進税制による優遇の方が有利です。
※中小企業者とは資本金の額が1億円以下の法人をいいます。
ただし、同一の大規模法人(資本金の額が1億円を超える法人に発行済株式の2分の1以上所有されている法人及び二以上の大規模法人に発行済株式の3分の2以上を所有されている法人を除く)
<受けることができる優遇措置の比較>
1.生産性向上設備投資促進税制の場合
①平成26年1月20日から平成28年3月31日まで
・・・即時償却または税額控除5%
ただし、建物、構築物は即時償却または税額控除3%
②平成28年4月 1日から平成29年3月31日まで
・・・特別償却50%または税額控除4%
ただし、建物、構築物は特別償却25%または税額控除2%
2.中小企業投資促進税制の場合
即時償却または税額控除7%(資本金の額が3,000万円以下の場合10%)
<優遇を受けるための要件>
青色申告をしている法人・個人事業者に限る
1.生産性向上設備投資促進税制
(1)最新設備の要件
①必要手続
設備メーカーから、証明書を受け取る
②要件
a.最新モデルであること
b.生産性が年平均1%以上向上していること
③取得価額
機械装置 160万円以上
工具及び器具備品 120万円以上(単品30万円以上かつ合計120万円以上)
建物 120万円以上
建物附属設備 120万円以上(単品60万円以上かつ合計120万円以上)
ソフトウェア 70万円以上(単品30万円以上かつ合計70万円以上)
(2)利益改善のための設備の要件
①必要手続
投資計画を作成し、公認会計士又は税理士の事前確認を受けた上で、
経済産業局へ申請して下さい。
②要件
投資計画による投資利益率が年平均15%以上(中小企業者等は5%)
となることが見込まれること
「投資利益率=(営業利益+減価償却費)の増加額÷設備投資額」
③取得価額
上記(1)の③のもののほか、構築物 120万円以上
2. 中小企業投資促進税制
①必要手続き・・・なし ※証明書を受け取る必要はありません。
②要件 購入する機械等について新品である必要がありますが、生産性や投
資利益率の要件はありません。
③取得価額
機械装置 160万円以上
一定の工具及び器具備品 120万円以上(単品30万円以上かつ合計120万円以上)
一定のソフトウェア 70万円以上(単品30万円以上かつ合計70万円以上)
普通貨物自動車で車両総重量が3.5トン以上のもの 取得価額条件なし
内航船舶 取得価額条件なし
注)建物や建物附属設備、構築物は対象資産に含まれておりません
<2つの優遇を比較すると>
生産性向上設備投資促進税制については、建物や建物附属設備、構築物、一部の
工具及び器具備品について優遇を受けることができますが、それ以外については
中小企業投資促進税制を方が手続きが簡単で優遇も多いです。
例 青色申告法人甲(資本金1,000万円)は平成26年10月1日に取得価額500万円の機械装置を購入し、事業の用に供した。
即時償却の場合 500万円の全額を減価償却できるため、法人税額を75万円〜
127.5万円を減らすことができます(利益がでている場合)
ただし、翌事業年度以降については減価償却ができないた
め、税額控除を選択した場合に比べて減価償却費が少なく
なります。
税額控除の場合 500万円×10%=50万円を法人税から控除(法人税の20%相当
額を限度)さらに即時償却していないため、翌事業年度以降
も普通償却分の減価償却が可能
※中小法人の法人税の税率(平成26年12月1日現在)
所得金額が年800万円以下の部分・・・15%
所得金額が年800万円超の部分・・・・25.5%