「印紙税」お客様の費用を立替えるためにお金を預かった場合、領収書に印紙を貼る必要があるのでしょうか?また、売上代金と立替えの金額を一緒に受け取った場合、いくらの印紙を貼ればいいのでしょうか?

お客様の費用を立替えるために、金銭を預かった場合も金額により、印紙を貼る必要があります。
金銭を受け取った場合の領収書は、金銭又は有価証券の受取書として印紙税の第17号文書にあたり、
この場合は、売上以外の代金を預かった場合に該当しますので、第17号文書の2に当たります。

売上代金と売上以外の代金を同時に領収書に記載する場合、
まず、全体の金額で50,000円以上かどうかで課税文書か、非課税文書かを判定します。
その後、売上代金の金額が大きい場合は、その売上代金だけの金額で
印紙の金額判定します。
国税庁のHPのフローチャートがわかりやすいので、下記に引用します。

受取書の課否判定のチェックポイント
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/19/03.htm

例①)お客様の費用を立替えるため、45,000円を受け取った場合

印紙を貼る必要はありません。
売上以外の金銭の受領で、金額が50,000円未満のため、非課税となります。

例②)お客様の費用を立替えるため、65,000円を受け取った場合

印紙を貼る必要があります。
売上以外の金銭の受領で、金額が50,000円以上のため、
200円の印紙を貼る必要があります。売上以外の金銭の受領に関しては
定額税率のため、以降、いくら金額が増えても200円のままです。

例③)お客様の費用を立替えるための金銭25,000円と
商品の売上代金27,000円(税抜価格 25,000円 消費税額 2,000円)を受け取った場合

印紙を貼る必要があります。
受取書が記載金額5万円未満の非課税文書に該当するかどうかは、売上代金とその他の金額の
合計により、判断します。この場合、25,000円のその他の費用、売上代金25,000円で
50,000円以上になり、200円以上の印紙を貼る必要があります。

この場合は、取引が区分できるため、領収書を分割することに
より、印紙を節約することも可能となります。

例④)お客様の費用を立替えるための金銭70,000円と
商品の売上代金27,000円(税抜価格 25,000円 消費税額 2,000円)を受け取った場合

記載金額の合計が95,000円(売上25,000円+その他の金額70,000円)
となるための、記載金額が50,000円以上で定額税率200円の印紙を貼る必要があります。

例⑤)お客様の費用を立替えるための金銭40,000円と
商品の売上代金1,069,200円(税抜価格 990,000円 消費税額 79,200円)を受け取った場合

売上代金990,000円とその他の金額40,000円で合計金額は100万円を超えますが、
売上代金とそれ以外に区分されているため、売上代金のみの金額で税率を判断するため、
990,000円<1,000,000円で200円の印紙を貼る必要があります。

これ以外に印紙を節約したい場合、このようなパターンも考えられます。
例えば、上記の例③と同じ場合で、領収書を立替費用と売上代金分の二枚に分けることにより、
一枚の領収書の記載金額が50,000円未満となるため、領収書を貼る必要がなくなります。

また、このように領収書に適正に印紙を貼っている場合で、得意先が領収書を紛失し、
再発行の依頼が来た時も同様に印紙を貼る必要があります。
この場合、印紙税の納税義務者は、得意先ではなく再発行する側となります。