法人住民税、法人事業税の分割基準、法人住民税の均等割の計算に従業者数が出てきますが、同じものですか?
原則的には、同じです。
期末日現在の従業者数の合計数になります。
ただし、分割基準では、事業所の設置廃止に伴う月数按分、従業員数の著しい変動がある場合には
各月末の従業員数の平均化を行い、均等割は、アルバイト等の特例計算を行うことができます。
例 A社(東京都)
決算期間 4月1日~3月31日
資本金 1,000万円
業種 製造業
役員 2人
正社員 10人(著しい変動なし)
アルバイト 30人(著しい変動なし)3月の全員の総勤務時間数2,880時間
パートタイマー 20人(著しい変動なし)3月の全員の総勤務時間数1,280時間
A社は上記の規模の会社でしたが、10月15日に以下の工場を設置しました。
A社Y市工場 K県)
正社員 9人 (著しい変動なし)
アルバイト 50人 (著しい変動なし)3月の全員の総勤務時間数4,800時間
パートタイマー 40人 (著しい変動なし)3月の全員の総勤務時間数2,560時間
この場合の、法人住民税、法人事業税の分割基準の従業者数の計算は以下になります。
A社 東京都本社工場
役員2人+正社員10人+アルバイト30人+パートタイマー20人=62人
A社 K県Y市工場
正社員9人+アルバイト50人+パートタイマー40人=合計数99人
合計数99×6ヶ月(10月~3月)/12ヶ月(4月~3月)=49.5人
一人に満ちない端数は一人として数えるため、50人
A社は、資本金1,000万円で製造業のため、東京都62人、K県50人で法人住民税、
法人事業税の課税標準額を分割することになります。
これに対し、均等割の従業者数の計算は以下になります。
A社 東京都本社工場
①特例計算を行わない場合
役員2人+正社員10人+アルバイト30人+パートタイマー20人=62人
②特例計算を行う場合
アルバイト総勤務時間数2,880+パートタイマー総勤務時間数1,280=4,160時間
4,160時間÷170=24.47人 一人に満たない端数は一人とするため、アルバイト等の人数25人
役員2人+正社員10人+アルバイト等(アルバイト+パート)25人=37人
①>②のため、②の37人が有利な計算になります。
A社 K県Y市工場
①特例計算を行わない場合
正社員9人+アルバイト50人+パートタイマー40人=合計数99人
②特例計算を行う場合
アルバイト総勤務時間数4,800+パートタイマー総勤務時間数2,560=7,360時間
7,360時間÷170=43.29人 一人に満たない端数は一人とするため、アルバイト等の人数44人
正社員9人+アルバイト等(アルバイト+パート)44人=53人
①>②ですが、50人超は均等割の金額は変わらないため、特例計算が有利とはなりません。