長期保有資産を買い換えた場合の圧縮記帳

Q 長く所有していた土地や建物を売却して利益がでそうなんだけど、何か良い節税方法はありますか?

A 所有期間が10年超であれば圧縮記帳の対象になる可能性があります。

所有期間が10年を超えるような土地や建物を売却し、新たに一定の土地や建物、
機械装置などを取得した場合には売却により生じた利益を圧縮し、課税を繰り
延べることができます。
※所有期間とは譲渡資産を取得した日の翌日からこれを譲渡した年の1月1日
までの期間をいいます。
具体例
譲渡資産 土地(取得価額200,000,000円)
売却代金   500,000,000円
仲介手数料  15,000,000円
買換により購入した資産 土地(取得価額300,000,000円)

圧縮記帳を利用しない場合
売却による利益 500,000,000円-(200,000,000円+15,000,000円)
=285,000,000円

圧縮記帳を利用する場合
圧縮限度額=圧縮基礎取得価額×差益割合×80/100
1 圧縮基礎取得価額
① 売却代金 500,000,000円
② 買換資産の取得価額 300,000,000円
③ ①>② ∴300,000,000円
2 差益割合
売却利益285,000,000円÷売却代金500,000,000円=0.57
3 圧縮限度額
300,000,000円×0.57×80/100=136,800,000円
よって圧縮記帳を利用する場合の利益は
285,000,000円-136,800,000円=148,200,000円

※こちらの計算は法人税法の計算方法です。所得税法の計算方法とは異なり
ますのでご注意下さい。尚、所得税法についても計算方法は異なりますが、
同様の利益となります。
注意 長期保有資産を買い替えた場合の圧縮記帳は平成26年12月31日をもっ
て廃止されます。
長期保有資産の売却をご検討中の方は今年中に売却しないと圧縮記帳の
特例の適用を受けることができません。
買換資産の購入は譲渡した日を含む事業年度の前後1年以内に取得した資
産も含まれます。